Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第72章 Dance with me?【2018青祭り】
一人になりたくて、無人のスタジオに入った。
誰もいないって…、そう思ってた。
なのに実際はそうじゃなくて…
窓辺に座って、気持ち良さそうに微睡む貴方を見つけた時、胸が大きく高鳴った。
もう20年以上一緒にいるのに、こんなにもこの人を綺麗だと思ったことは…なかった。
俺はその穏やかな寝顔をずっと見ていたくて、眠りを妨げないようにそっと隣に腰を下ろすと、コクリ…と揺れた頭を自分の肩に乗せた。
一人になりたくて来た筈なのに、今はこの人がここにいてくれて良かったと思える。
茶色く染めた髪を撫で、日焼けした頬を撫でた。
「ん…、あれ…? 僕…」
「ごめん…、起こした?」
まだ眠りから覚めきらないのか、虚ろな目が俺を見上げる。
「ううん…。でも、まちゅじゅ…、どうしてここに…?」
噛み噛みだし(笑)
「俺? 俺はちょっと色々考えたくてね。つか、貴方こそどうして? 今日オフでしょ?」
今年は珍しく誕生日当日がオフだって、はしゃいでたのに…
「そう…なんだけどさ、それはそれで寂しくて…」
「約束は? 誕生日でしょ? 出かけたりしないの?」
「うーん…、特にないかな…」
なんだ、てっきり誰かと…なんて思ってたんだけど…