Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第6章 花見へ行こう♪
潤くんママが敷いてくれたシートの上に座り、お弁当箱を保冷バッグから出した。
でも、ほんのちょっとだけ蓋を開けるのを躊躇ってしまうのは、他の3人のママが作ったお弁当が、とても色鮮やかで、見るからに美味しそうだったから…
「パパ、お弁当早くぅ!」
「う、うん…」
次々と上がる子供たちの歓声に、俺は少しだけ和に申し訳なさを感じながら、お弁当箱の蓋を開けた。
「ごめんな、和? パパ頑張ったんだけどさ、やっぱり皆のママみたいには作れなくてさ…」
ホントに頑張ったんだ…
だけどやっぱりどんなに頑張ってみても、ママさん達の作るお弁当には敵わないんだ…
ゴメンな、和…
「ううん! パパのお弁当が一番だよ? だってね、僕の大好きな物が、いっぱいい〜っぱいだもん♪」
「和…。うん、パパさ、和に喜んで貰おうと思って、和の好きな物、いっぱい詰め込んだんだ」
ハンバーグにタコさんウィンナー、それに卵焼き…
あえて小さく握ったおむすびは、ピンク色だ。
「食べていい?」
「うん。いっぱい食べな?」
「わ〜い、いっただきま〜す♪」
フォークを片手に、ピンク色のおむすびを口いっぱいに頬張る。
「おいひぃ〜(*^^*)」
良かった…
和が喜んでくれた…
それだけで俺、嬉しくなっちゃうよ…
「和くんパパ? お弁当なんてね、見た目じゃないのよ? どれだけ愛情を込めてるか、なのよ?」
翔くんママが俺の肩を叩く。
確かにそうなのかもしれない。
愛情だけは、誰にも負けないくらいに詰め込んだつもりだ。
「それにね、こうして満開の桜の下で食べると、一段と美味しく感じるものなのよ?」
「パパ、美味しいね(*^^*)」
「美味しいな(*^^*)」
桜の木の下で、皆で食べるお弁当は、見た目はイマイチだけど、特別美味しく感じた。
「また皆でお花見しよぉね?」
「そうだな、しような(*^^*)」
また、いつか満開の桜の木下で…
おわり♡