第3章 ほんとの君は…?
「なぁ…すばる…?」
静かな楽屋の中そう声をかけたら
「ん…何?」
なんてすばるは
やってるゲームから目も離さず
そう返事する…
"無理に言わんでもええ"
そう花には言うたけど
何かこう胸がざわざわして落ち着かなくて
俺の隣で静かにゲームをしてたすばるに
「昨日やけど…
花を連れて帰んのに忙しくて
聞きそびれたんやけどな…?
何でお前ら一緒におったんや?」
そう思い切って聞いてみた。
でも返ってきた返事は…
「昨日はあれや…
腹空いて外歩いてたらたまたま花と会って
声かけたら、ひなとのデートが無くなって
落ち込んでたからついでに一緒に飯食うた…
以上やな…?」
なんて言う…
ひどく簡潔な答えで
この答えどこに
花が俺に言いたない部分があんのか
まったく解らへん(笑)
やからなんか気が抜けて
「ほんまにそれだけなんやな?
俺に隠してることとか無いよな(笑)?」
そう笑いながら言うたら
すばるはなんでか急にやってたゲームを
机に置いて…
「じゃあお前はどうやねん?
あいつにいつまで仕事のこと隠すん?
いつまでも隠しておけることちゃうやろ?」
なんてまっすぐに俺を見つめて言うてくる…
「そんなん俺が一番解ってるわ(笑)!
でもな…?
俺の家がでかいとかそんなんでさえ
引け目を感じるやつやから…
アイドルとかジャニーズとかそんなん言うたら
花が俺から離れていきそうで
情けないけど怖いねん…(笑)」
下を向きそう呟いた声が
自信なさげに地面に吸い込まれていく…
でも…
ほんとの俺を知られたら
花の笑顔を二度と見れなくなりそうで…
どうしても言われへんねん…