第1章 暗く淀んだ世界
今俺の目の前で
あまりにも美味しそうに笑顔で
お弁当を口に運ぶ花に…
「その弁当そんなに上手いんか…(笑)?」
そう何気なく聞いてみたら
「あっ…えっと…は…うっげほ…(汗)」
なんて喉に飯をつまらせて
勢いよく咳き込んで…
「大丈夫か(笑)?ほら水飲め…水!」
そう言ってペットボトルの水を渡し
苦しそうに丸々背中を軽く叩くと…
「すいません…(涙)
ご飯食べながらしゃべるの慣れてなくて…」
なんて花は
涙目のまま必死に息を整える…
"食べながらしゃべるのに慣れない"
そん花の言葉が妙に気になって…
「いつも飯は1人か…?」
そう聞いた俺に
「そうですけど…?」
花は"それが何か?"ぐらいの勢いで
不思議そうに首をかしげて…
「いつも1人やと寂しくないか…?」
「寂しい…ですか…?
今のところ思ったことないですけど…(笑)」
そう言って花は
お弁当に視線を戻し
また美味しそうに口に運び始めた…