第5章 出逢い
「あのさ、ここで待ってて。俺が良いって言うまで目瞑ってて。」
先輩はあたしを体育館の入り口でおろした。
「なんで?」
「いいから。」
「わかった。」
あたしは言われた通り目を閉じた。
「てめぇら…覚悟できてんだろうなぁ?」
微かに悲鳴が聞こえてきた気がした。
「もういいよ。」
先輩の声であたしは目を開けた。
「あ…。」
先輩の拳にちがねっとりとついていた。
「ケガしてるの?」
あたしは先輩の手に触れようとした。
「さわんな!!」
先輩が叫んだ。
「俺の手きたねぇからさわんな。お前を汚したくねぇ。」
「え?」
「それよりもさ…
キスさせて。」
この日あたしと先輩は付き合い始めた。