第38章 悲劇と襲来
当時、日本では外国人の子供が誘拐されるという事件が多発していた。
しかし、当時の警察官は汚職事件などをよく起こし警察官の職務を怠っていた。
その為、犯人はなかなか捕まらず野放し状態だった。
そんなことを知るよしもないブラック家は、道に迷い人通りのない所を歩いていた。
「It is amusing? I will ask those people.(おかしいな?あの人達に聞いてみよう。)」
地図を睨み付けていた父が前から来るカップルを指差した。
そして、彼等に近付いた。
「Excuse me.way...(すみません。道を……)」
パァンッ――――
ドサッ――――
「きゃあぁぁああ!!」
悲鳴が響き渡る。
ひとつの銃弾が父の脳天を貫いたのだ。
父が地面に崩れ落ちる。
「Papa!!(パパ!!)」
兄が父に近寄る。
パァン―――
ドサッ――
今度は兄が父の上に崩れた。
母はまだ悲鳴をあげている。
「うるさい。」
パァン―――
ドサッ―――
異国の言葉と共に母が崩れる。
イアンは状況が理解出来なかった。
気付いたら皆倒れていた。
そして、目の前には銃を持つカップル。
一瞬で全てを奪われた。