第6章 2人の距離 6
「あー。ニノ。あの話だけどさ。いつが良いんだっけ?撮られる前にしちゃいなよ」
ん?なんの話だ?と思ったけど直ぐに言っている意味がわかった
そして何故か相葉さんが先に、えっ?!と前のめりになる。
「いや、ジャニーさんのタイミングで良いって言ったじゃん」
ゲームをしながらそう言うと、わかってないね〜。と言い出す
「そんなのいつまで経ってもこないよ?40、50まで待つつもり?しちゃうならしちゃうでバレる前にサクッとしとかないと。」
サクッと。って。
社長の表現に苦笑いをすると、そうだよねー。と潤くんが納得していた。
「撮られて世間に評価される前に結婚しちゃった方が収まりも良いかな」
潤くんの言葉に、そうだよ!だからしちゃいなよ!今!と言う社長に、そーねー。と返す
そしてまた衝撃的な事を言われた
「だからね!記者会見の日にち決めたんだけどこの日どう?」
え?
「いやいや。冗談でしょ?」
笑いながら言うと、you、僕が冗談言ってる様に見える?と言うのでこれは本気らしい。
ふと周りを見るとマジかよ。という顔で微妙に笑ってる4人
という事で。
どうやら俺は結婚するらしい。
ここまでスパスパ決められちゃうともはや他人事だよね。
社長が来てから数日経った楽屋で楓ちゃんに会うと何故か興奮気味だった。
どうやら他のメンバーが結婚の事を伝えたらしい
「えっ!えっ!ねぇニノちゃん!その記者会見のヘアメイクやらせなさいよ!というか絶対やるから!わかったわね?」
もはや最後強制だから。と苦笑いで返す。
「ねえ!ところでどんなのあげたのよ!」
冷めないテンションでそう言う楓ちゃんに、なにが?と聞くとはぁ?と言う顔をする。
いや、主語がないのよ。主語が。
「指輪よ!指輪!」
コームを上下に揺らしながら言うのでそれを避けながら、いや。と言うと今度は急にしらーっとする
「え、あげないの?…やっぱりニノちゃんって」
変人。と言い出す楓ちゃんに、失礼だな。とまた苦笑いすると翔さんがパソコンを開いて見せて来た
「店行くの面倒だろ。こういうのでいんじゃね?」
見せられたのはネット購入出来る婚約指輪と結婚指輪で。
あ、これ買わされる運命だ。と悟っていると隣にいた相葉さんがケラケラ笑いだした