第3章 2人の距離3
「お前、まじで何しに来たんだよ。」
ソファで静かにゲームをしていると呆れ顔で俺を見る相葉さん
今日はオフで特にやることもなく、なんとなくだけで相葉さんの家に上がり込みこうやってゲームをしている。
「あー。ちょっと腹減ったなー。」
相葉さんの質問には答えずそう言うと、たくっ。と言いながらも立ち上がりキッチンに向かう相葉さん
あれから由梨とは全く連絡はとっていない。
今何ヶ月なんだろうか。
もしかしたらもう産まれたのかな。
それくらい時間がたっていた。
「はい。こんなんで良い?」
そう言ってテーブルに何かを置いたので立ち上がり見に行くと中々美味しそう
しっかりといただきますをして口に頬張ると思った通りに美味しくて、美味い。と伝えるとちょっと嬉しそうだった。
「そういえばさ、俺言ってないよね?…振られたこと」
食べながら俺がそう言うと向かいに座って頬杖をついていた相葉さんが口を半開きにして凝視していた。
「…はっ⁈誰が?」
俺だよ。と突っ込むと動揺する相葉さん。
あー。そうだった。この人も面白いタイプだったわ。
驚く相葉さんの顔が面白くて思わずククッと笑っていると、ちょっと待て。と言う
「そもそもそんな相手がいたこと自体知らないから。」
そんな事を言うのであれ?と思い、言ってなかったっけ?と言うと、知らねーよ。とかえってきた。
「あー。それはごめん。相葉さんには言ってる気でいたわ」
じゃー。今のなしで。と言うとまた慌て出す相葉さん
「いやいや。無理でしょ。この状況でそれは。いくら俺でも無理っ!」
無理を強調する相葉さんにクフフッと吹き出すと同じように笑う相葉さん
「その言い方だとさ。俺の知ってる人でしょ?」
早く言えよと俺を見る相葉さんは相変わらずのせっかち
仕方ないので、そうだね。と返すと、いーから早く言えよ。とせかす。
「はぁ。ほんとにあなたは。…まぁいっか。自分から言いだしたし。あれですよ。ヘアメイクの「由梨ちゃん⁈まじでっ!!」」
俺の言葉を遮り被せるようにびっくりする相葉さん。
実際正解なので、そうそう。と言いつつもらったお茶を飲む。