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~蜜の音、甘い声~【R18】

第2章 ~ダメな、蜜~



家に帰って、まずはシャワーを浴びる。

大きな鏡に映る、自分の裸。
あまり考えたことなかったけど、
私は他人から見たら“どんな人”なんだろう。

…身体つきは、残念ながら
とりたててグラマラスでもセクシーでもない。
まぁ、貧弱ってほどでもないと思うけど。
顔も、多分、ごくごく一般的だよね。

優介は、こんな私の
どこを好きになってくれたんだろう。

家に帰ってくると、やっぱりすぐに
優介のことを考えてしまう。

思わず自分の乳房に手をあてて
乳首をいじりかけ、

そして、ハっと手を止める。

高橋君。

「帰って、先生のオナニー想像しながら
俺も自分でヤろ。先生、俺のオカズ。」

…あれは、なりゆきのセリフ?
それとももしかして、本当に、してる?

改めて、鏡の自分を見る。
…私のこと、
どんな身体に想像してるのかしら?

まぁ、
思春期の男の子の妄想だから。
きっとグラビアアイドルみたいな身体に
置き換えて想像してるのよね、きっと。
こんな生身のフツーの女、想像したって
きっと楽しくもなんともない(笑)

そうよ、生身の私を受け止めてくれるのは
優介だけ。

シャワーを浴びて髪を乾かし、
簡単な晩御飯を食べていたら、電話が鳴った。

「優介!」

「はるか!今、大丈夫?」

「もちろん。私も優介のこと考えてた。」

しばらく電話で、
今日一日のことを報告する。
新しい職場のこと、今日の晩御飯のこと、
天気のこと、仕事のこと…

話したいことも
聞きたいことも
たくさんあって…
時間はあっというまに過ぎていく。

「あぁ、もうこんな時間だ。
そばにいる時も毎日話してたわけじゃないのに
なんだか、遠くにいるってだけで
毎日声を聞かないと落ち着かない気がするよ。」

「私も、こうして声聞けると安心できる。
でも、疲れてる時は遠慮しないで言ってね。」

「ばかだなあ、
疲れてる時ほど、声が聴きたいんだよ。
…また明日もかけちゃうかもしれないよ。」

「うん。待ってる。」

「次に会える日が楽しみだな。」

「うん。それまで、仕事、頑張ろ。」

「…おやすみ、はるか]

「おやすみ。」

…優しい声が途切れて、
とたんに寂しくなる。
もっと話したかったな…

もちろん、
高橋君のことは話さなかった。

心配も、不愉快な思いも
させたくなかったから。

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