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~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~



…結婚してよかった。
私は本当にそう思っている。

夫婦、という単位ではない。
親子、というくくりでもない。
家族、だ。

私のことも、家族の一員として
みんなが可愛がってくれる。

朝も、昼も、夜も。

嫁いだ日、私が流した血紋も
家族の証として
歴代の女性の血紋と同じように
額に入れて保存してもらえた。

そして、今。
私の腕の中に、小さな命。

「ようやった!」

「はるかさん、お疲れ様。」

「孝一、おめでとう。」

みんながかわるがわる、
私達の初めての子どもを抱いてくれる。

「誰に似てる?」

「鼻は、父さん?」

「口元は俺?」

「でも顔全体は、
孝一が小さい時にそっくり。」

…そう。
誰にも似ている気がする。
だって、誰の精子が受精したかは
誰にもわからない。

お義父様か、
二人の弟たちのどちらかか、
それとも、夫の孝一さんか。

誰の子かわからないからこそ、みんな、
我が子のようにかわいがってくれる。

「ふ…ぎゃ…んぎゃ…」

頼りない泣き声。

「おむつ、かえますね。」

真っ白なさらしをめくると
両脚の間に、小さな小さな男性器。
…そう、第一子は、男の子だった。

おむつを変えながら、思う。

15年後、
これを私が筆おろしするのね。

…いろいろ、教えてあげなくちゃ。
この子のお嫁さんが、
我が家の風習に満足してくれるように。

おむつを替えても泣き止まない息子。

「おなかがすいてるのかな?」

すっかり母親のソレになった
黒ずんで丸くふくらんだ乳首を
息子の小さな口にふくませる。

息子の吸い付きにあわせて、
反対側の乳首からも、ツツ…と
白い母乳があふれ出した。

「おおっと、もったいない。」

見ていた弟の一人がくらいつく。

「…ん…おいしいもんじゃないね。」
「俺も!」

もう一人の弟も吸い付いてきて、
明らかに舌で乳首を転がしてくる。

「これ、イヤラシイ吸い方して。」

おばあ様がたしなめる。

「産んだばかりの身体ですよ、
大事にしてあげなくては。」

「…しばらくは、我慢だな。」

あぁ、そうか。しばらくは我慢。

「皆様、そのうちまた、
よろしくお願いします。」

しきたりは、息子が3人生まれるまで。
その日まで、私は
この家の男性達に愛され続ける。

(~初夜の声は、さらすもの~ 了)




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