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Come To Me.(黒子のバスケ超短編)

第25章 噂。(伊月俊)


「ーっ!お迎えだよー♪」
「イケメン先輩彼氏っ♪」

「ちょ…っ!」

ガタッと音を立て立ち上がったは急いで教室の入り口へと迎った。

「行きましょう!伊月先輩っ!」
「うん…って俺なんかマズかった?」
「だっ…大丈夫です!!」

クラスメイトに囃し立てられながらは伊月の背中を押して教室から離れ屋上へと向かった。

屋上の風は少しだけ肌寒い。
でも今のには火照った顔を冷やしてくれる心強い味方だった。


「…ごめんなさい、伊月先輩。みんなが騒がしくて…」


シュンと肩を落とすに伊月は優しく微笑んだ。

「俺は平気だけど、もしかして俺ちゃんの彼氏だと思われてる?」
「う…あ……はい、多分…と言うかほぼ…」

伊月と前にお昼を共にした日以来、週に一度はこうして一緒に食べているせいか、のクラスメイトには二人が付き合っているのだと思い込んでいる人も多かった。

「すみません…先輩に迷惑掛けちゃって…」
「迷惑なんて思ってないさ」

そうキッパリと即答され、の胸はドキリと音を立てる。

「でもちゃんが嫌だったら一緒にご飯食べるのやめようか?」
「えっ…一緒に食べたいです!………あ、」

慌てて否定したは言い終えてから急に恥ずかしくなって顔を赤くする。
伊月はそんな彼女を見て嬉しそうに微笑んだ。

「…良かった、言っといてなんだけどホントに嫌って言われたらショックだったろーなーって。俺、ちゃんと一緒にお昼食べるこの時間がスゲー特別だからさ」

この為に一週間頑張ってるって言っても過言ではないのだ。
あの時一人でいる彼女を見つけたのが自分でホントに良かったと思ってる。

「………私も、先輩とのご飯楽しいです…」

サラリと特別だと言われ赤かったの顔は更に赤くなる。

「ちゃん、食べよっか」
「……はいっ!」

お互いの顔を見合わせ笑い合う。


その後、クラスで広まっていた伊月とが付き合っていると言う噂は火神と黒子の大袈裟なほどの否定で終息を迎えた。

((そんなの絶対ダメだ…!)です…!)


ともあれ二人の楽しいランチタイムは今後も続くのだった。










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