第2章 部活の後。(黒子テツヤ)
「さん」
「テツヤ」
「帰りにマジバ寄りませんか?」
「うん、良いよ!久しぶりだね」
部活後のひととき。
黒子は行きつけのハンバーガーショップにを誘った。
部活の後に飲むバニラシェイクの味は格別。
それを最初に黒子に教えてくれたのは彼女だった。
平日の夕方、割りと空いている店内で窓際の席に二人は向かい合わせに座る。
「テツヤはバニラ?」
「はい、さんは…ストロベリーですか?」
「うん!春はイチゴって決めてるの、テツヤはブレないね(笑)」
ちゅうっとストローに口をつけるの姿が何とも可愛くて黒子は思わず手を止める。
「…なぁに?テツヤもイチゴ試してみたくなった?」
そうだと言えば彼女はどうするのだろうか。
「はい、ちょっと気になります」
「なら一口、どうぞ!」
「え…」
何の迷いもなく自分のシェイクを差し出すに黒子は少し戸惑った。
おいしい展開だけれども、躊躇しない所を考えれば自分は男として見られていないのだろうか…。
「…いただきます」
「ん、どうぞ」
ドキドキしながらのシェイクに口をつける。
口いっぱいに甘酸っぱいイチゴが広がった。
「おいしい、ですね」
「でしょ?」
「さんも久しぶりにバニラどうですか?」
「いいの?じゃあちょっと貰うね」
黒子の差し出したシェイクを笑顔で受け取ったはストローに口を寄せる。
「間接キスですね」
ポツリと呟いた黒子の一言には瞬時に固まる。
「さん、シェイクどうぞ」
「う……ぁ…//ずるい…テツヤ、急にそんなこと…」
「ふ…すいません」
「もう…笑わないの……」
赤い顔して少し俯く。
それはまるで。
「さん、イチゴみたいですね」
黒子はそう言っての頬をそっと撫でた。
ちゅうぅぅぅ……!
「、さん…?」
は手に持っていた黒子のバニラシェイクを一気に飲み干した。
「今日のテツヤはちょっと意地悪だからシェイク貰いました!」
「ふふ……っ、ホントさんは…」
自分の想像の斜め上を行く彼女からどうしても目をはなせないんだ。