第17章 海。(青峰大輝)
夏休みもそろそろ終わる8月某日、桃井の誘いでは海へと来ていた。
「あれ、聞いてたよりも…人増えてるね?」
「ごめん…芋づる式でね…こんな事態に…」
当初の桃井の予定ではと黒子、それにボディーガードとして青峰の四人の筈だった。
そこから黄瀬にばれ、緑間にばれ、高尾まで着いてきていた。
ともあれこの快晴だ、絶好の海日和。
「さつき!行こ!」
「うんっ!」
水着の美女が二人、浜辺を掛けて海へ向かう姿は男性陣にとっては目の保養。
「いやぁ~いいね~♪」
「厭らしい目でを見るな、高尾」
「ホント来て良かったッス~♪」
「黄瀬くん、顔がだらしないです」
レジャーシートで騒ぐ四人を尻目に青峰は浮き輪を持って歩き出す。
向かった先はの所。
「あれ、さつき…?ひゃあっ…?!」
桃井を探して海中を歩いていたが、突然足が着かなくなりは沈みかける。
と、その寸前で青峰が腕を掴み頭から浮き輪を被せた。
「だい、き……?」
「何やってんだ、馬鹿」
「ごめん…さつきとはぐれちゃって」
「アイツならあそこにいンだろ、ホラ」
青峰が親指で左側を指す。
そこにはさつきと黒子の姿があった。
「近くにいたの気付かなかった…!」
「それよりお前泳げねぇのに奥まで行くんじゃねーよ」
「大輝のおかげで助かりました!」
ニコリと笑顔を向けるに青峰の心臓が跳ねる。
「……その水着、どうしたんだよ」
「これ?さつきと買いに行ったの、さつきが大輝はこういう水着好きって言ってたからこれにしてみた」
「はぁ?!バッ……!」
ホルターネックの黒いビキニ。
確か下にはフリルが付いていたんだったか。
シンプルだけど白いの肌を引き立てる水着だった。
「大輝?」
浮き輪を引かれ青峰との距離がグッと近付く。
「俺の為の水着なら、俺の好きにして構わねぇんだよな?」
「えぇ…っ?!それはちょっと違…っ、ちょっと大輝…!」
の首筋に青峰が顔を寄せた、その時だった。
「って!!」
「?」
浜辺から寸分の狂いもなく翔んできたビーチボールが青峰の頭にヒットした。
「さっすが真ちゃん!」
「青峰っちー!抜け駆けダメッスよー!」
どうやら浜辺からの監視は最初から厳しかったらしい。