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Come To Me.(黒子のバスケ超短編)

第16章 発熱。(火神大我)



体がやけに重い。
頭もボーっとして思考がうまく働かない。
この間、火神の家のベランダで寝たりしたから体調を崩したのだろうか?

(なんだろう…変、かも………)

練習後、部の備品の買い出しに行く予定だったは体の怠さに耐えながらフラフラと店へと向かった。

「、後はテーピング買って終わりか?」
「……う、ん」

前回の買い出しの件もあり心配して着いてきた火神が買う物を確認する。
彼の持つビニール袋にはスポーツドリンクの粉や冷却スプレー、ドリンクボトルなどぎゅうぎゅうに入っていた。

「ごめんね、大我…荷物、私の仕事なのに…」
「バカ、バスケ部の買い出しなんだからいンだよ。お、店ここじゃね……?」

スポーツ用品店を見つけて火神が振り返ると地面にうずくまるがいた。

「おい!?!」

火神は慌てて駆け寄り抱き起こすと、その体温の高さに驚いた。

「お前…熱あんじゃねーか!!」
「はぁ………っ」

買い出しはここまでにして火神はを自宅へと運んだ。

(しかた、ねぇ…よな…?)

自分がいつも寝ているベッドにを寝かせる。
アレックスが寝てるのとはワケが違う。
なんだかとてもイケナイ事をしている様に思えた。



馬鹿野郎、は熱があんだぞ。



頭を思い切り振って邪念を払い飛ばす。
何か飲み物を、そう思って立ち上がろうとした火神のジャージの裾をの手が掴む。

「……寒い、大我………」
「………!!!う、お!?」

不意を突かれてバランスを崩し火神もベッドへと倒れ込む。
至近距離に迫るの顔に心臓がうるさく鳴り出した。
真夏の今、寒いだなんて熱のせいだってわかってるのに。

「たい、がぁ………」
「………っ、」

熱い吐息が頬を掠める。
火神の中で、本能と理性が激しく戦っていた。
すり寄るの背中に腕を回す。
そうする事で震えていたが落ち着いてきた。

(ったく…安心しきってんじゃねーよ…)

しばらくすると規則正しい呼吸が聞こえてきた。
火神も観念して目を閉じる事にした。


目が覚めた時、大いに焦るであろうの姿を思うと自然と笑みが溢れた。

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