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Come To Me.(黒子のバスケ超短編)

第9章 カフェテリア。(高尾和成)


天気の良い日曜日の午後、一人カフェテリアでアイスティーを楽しむに一人の男が気がついた。

「あれ?誠凛のマネージャーちゃん?」
「あ、秀徳の……えっと、高尾くん?」
「覚えててくれてんだ!へへっ、どーも!」

高尾の手に持っているスポーツ用品店の袋を見てはにっこりと笑った。

「やっぱりバッシュ新調したんだ?」
「そ!あの時教えて貰っといて良かったよ、気を付けて使ってたんだけどやっぱ限界だった~」
「無理に履いてると怪我にも繋がるからね」
「おっしゃる通りです」

先日の秀徳との練習試合では高尾のほんの少しの違いに気が付いた。
いつもよりも切り返しが浅い気がする、もしかしてバッシュのソールが?
そう思ったは試合後にそれを高尾に伝えたのだった。

「あのさ…良かったら一緒していい?」
「うん、どうぞ!」

勇気を出してそう聞いてみれば、笑顔と一緒に返ってきたイエス。
高尾は心底ホッとしての正面の席に着いた。

「真太郎と一緒じゃないの珍しいね」
「えー?俺と真ちゃんセット扱い?!」
「違う違う!仲良しだと思ってはいるけど」
「うーん、俺はどっちかって言うと」

テーブルの上に無造作に置かれていたの手。
高尾はその細い指先にそっと触れた。

「ちゃんと仲良くなりてーんだけどね」
「…っ」

花弁に触れるようなソフトタッチ。
はくすぐったさから肩を竦めた。

「た、高尾くん…!」
「ははっドキドキしてくれた?」
「…と言うより触り方がなんか、いやらしい!」
「えー!ひっど!(笑)」

ほどなくして高尾のアイスコーヒーがきた。

「うん、ここのコーヒー美味しい」
「ホント?」
「うん、飲んでみる?」

自然な流れでに向けたストロー。
彼女はそれに迷うことなくに口をつけた。

「ホント!おいしーい!」
「……ぷっ」
「?なぁに?」
「いや、何でもない」

指先に触れただけで照れるのに、間接キスは平然とするとか。
これじゃ誠凛メンバーがヒヤヒヤするのも頷ける。

この事を店を出た後に彼女に告げたらどんな反応をするのだろうか。
そんな小さな楽しみを胸に秘めて高尾はまたアイスコーヒーを口にした。




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