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Come To Me.(黒子のバスケ超短編)

第7章 練習試合。(緑間真太郎)


「真太郎!久しぶりっ!」
「朝からお前は元気だな」
「早起きしたから頭は冴えてるよ!あ、真太郎また背伸びた?」

リコが組んだ秀徳との練習試合。
誠凛に着いたとの知らせを受けては校門まで彼らを迎えに行った。
監督との挨拶を終えると真っ先に声を掛けに行ったのは緑間の所。

普段は難しい顔をしてる事の多い緑間が自分に向けてくれる柔らかい表情がはとても好きだった。

「変わらないのだよ、お前が縮んだんじゃないか?」
「えー?そんなわけないよ」

そう言っての頭を撫でるその手には綺麗に巻かれたテーピング。
中学時代は自分が巻いていたんだとはどこか懐かしい気持ちになった。


「体育館はこちらです」


出来て二年目の綺麗な体育館に感動する秀徳メンバーを誠凛バスケ部のメンバーが迎える。
お互いに挨拶を済ませるとそれぞれのチームに分かれるのだが、その前に緑間がを呼び止めた。

「」
「なぁに?」
「借りたい物がある」
「うん…?」

緑間が借りた物はが持っていたハンドタオル。
水色の小花がたくさんプリントされたのお気に入りのタオルだった。


「試合が終わるまで借りていていいか?」
「うん、それは構わないけど…どうして私のタオル?」


しっかり者の緑間に限ってタオルを忘れる筈がない。
緑間にハンドタオルを手渡した後、不思議に思ったは緑間に尋ねた。


「そんなの決まっているのだよ、今日のラッキーアイテムだ」
「そっか!今日のラッキーアイテムは水色のタオル?それとも花柄のタオル?」
「いや、どちらも違う」
「うーん、じゃあなんだろ……」
「…お前は知らなくていいのだよ」
「そう言われると気になるんだけどなー…」



怖じ気づいたわけじゃない。
自信がないわけじゃない。
だけど、それを伝えるにはまだ時期じゃないとは思うから。




「……気が向いたら教えてやる」




そう言って緑間は秀徳のベンチへと向かって歩き出した。











今日のラッキーアイテムは、『好きな子の私物』。





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