第15章 Loved one 家康ルート
「信長様!囲碁の勝負を‼︎」
『ワシに勝負と挑むとは…くっ…受けて立とう』
「秀吉さん!お団子食べよう」
『あぁ、じゃあ茶を入れよう』
「政宗!この煮物美味しい!作り方教えて?」
『おお!いいぞ!』
「三成くん!私の読めそうな絵巻物あるかなぁ?」
『飛鳥様、ではご一緒にお探ししますね』
『今日も腑抜けた顔だな』
「もぉ!光秀さん酷い!からかわないでください!」
『何あれ。ムカつく。』
いつからだろう…飛鳥を一人の女子として見るようになったのは…
自分の気持ちに気付いた頃にあの一件があった。
とにかく必死だった。
必死で手当てをして少しでも傷が残らないように…
好いてる女の傷を早く治してやりたい一心で毎日治療した。
あれから月日は経ち飛鳥はすっかり元の元気を取り戻した。
ただ日増しに家康は不機嫌になる。
あの一件で城の皆んなが飛鳥を好いている事に気付く
何かあったら直ぐ治療できるようにと、しばらく部屋を飛鳥の隣にしてもらった事によって、毎日代わる代わる武将達が来るのを間近で見ていた
夜が明ける前、必ず飛鳥の部屋を訪れる信長
昼間は飛鳥の部屋で政務をこなす秀吉
朝早くから料理を作り部屋まで持ってくる政宗
書庫から飛鳥の好きそうな巻物を選び持ってくる三成
わざわざ遠回りしてまで部屋の前を通る光秀
その誰もが飛鳥に優しく囁いていく
『飛鳥…早く笑ってくれ』
その声を隣の部屋で毎日聞いていた家康
そんな誰よりも飛鳥を心配し、労って居たと思って居た。
なのに…