第1章 Important person〜日常
秀吉の御殿に着くと女中さんに声をかける
「あら、飛鳥様!」
「秀吉さんに届けものなんですが…今平気ですか?」
女中さんが秀吉に伝えると部屋に通される
『飛鳥わざわざ悪かったな。茶でも飲んで行け』
慣れた手つきでお茶を入れてくれる秀吉の前に座り嬉しそうにする飛鳥
「秀吉さんのお茶好きなんだよねー!いただきます!」
そんな飛鳥を見て秀吉は頭を撫でる
(秀吉さんって頭撫でるの癖なのかな?)
『今日はこれからどうするんだ?何か用でもあるのか?』
「信長様にお小遣いもらったの!だから反物屋さんに見に行ってから、甘味でも食べてこようかなぁーって」
『そうか。夕餉前には帰ってくるんだぞ?わかったな?』
『あっ!後知らない人にはついて行かない!話さない!わかったか?』
妹の様に可愛がってくれる秀吉の世話焼きも嬉しく思いながら
「大丈夫だってー。ちゃんと夕餉までには帰るし、知らない人にもついて行かないもん。子供じゃないんだからー」
少し口を尖らせながら言う
(なっ!可愛いな…)
『わかった。気をつけて行ってこい』
と、優しく送り出した。
秀吉の御殿を出た飛鳥は政宗と家康に会う
「あれ?2人ともどうしたの?」
少し強張った顔をした2人を不思議そうに見ると
『急遽城に集まるんだ。秀吉も連れて行こうってこれから寄る所だ』
「何かあったの?」
不安そうにする飛鳥を見て笑顔を見せながら
『詳しくはわからないが心配するな』
クシャっと頭を撫でる政宗
いつもの調子で
『ところであんた、どこ行くの』
と家康に言われると
「あっ、城下町に反物を見に行くの。その後甘味でも食べようかなって」
『ふーん』
と興味なさそうに言う
『俺に似合う反物探してくれよ。飛鳥に作って貰いたいんだ』
政宗の申し出に嬉しそうに
「わかった!探してくるね!」
と笑いながら手を振って飛鳥は城下町に行く
政宗と家康は飛鳥を見て
(可愛いな…)
と思いながら秀吉の御殿へ行く。
突然の呼び出しに驚きながら政宗達と城に向かう秀吉に
『光秀さんが掴んできた情報があるとは聞きましたが…詳しくはわかりません。とにかく急ぎましょう』
家康がそう言って3人は足早に城へとむかった。