第54章 夢幻〜秀吉〜
『飛鳥は皆に好かれているな』
「みんな優しくて大好きだよ!」
ニコニコしながら挨拶する飛鳥が可愛らしい…
そんな飛鳥が乱れる姿を知ってるのは秀吉だけ…
主君への背徳感と優越感…
(飛鳥の事になると…ダメだな俺は…)
苦笑いしながら部屋に招き入れる
「久しぶりだ…秀吉さんのお部屋…」
部屋の真ん中で立ち止まり周りを見渡す飛鳥を、後ろから抱きしめる
『飛鳥…お帰り』
「ただいま…秀吉さん」
首筋に舌を這わすとピクンと震え慌てる飛鳥
「っ!ダメだよ…汗かいてるし…」
耳まで真っ赤な飛鳥
クスリと笑い耳元で呟く
『湯浴みするか…』
「あっ、うん!秀吉さん先にどうぞ」
振り向く飛鳥の手を引き部屋を出る
「秀吉さん?湯殿なら場所わかるよ?」
キョトンとする飛鳥を連れて湯殿に着くと着物に手をかける
「えっ!ちょっ!自分で出来るって…」
『甘やかしたいんだ』
オロオロする飛鳥の着物を脱がすと自分も帯に手をかける
「っ!待って!秀吉さんと一緒…に?」
『甘やかしたいって言ったろ?』
慌てふためく飛鳥が愛おしくて、可愛らしくて…
片時も離れたくない
「恥ずかしい…よ…」
襦袢のまま立ち尽くす飛鳥
着物を全て脱ぎ捨てた秀吉が、飛鳥の襦袢に手をかける
『だーめだ!今日はとことん甘やかしたいんだ』
真っ赤になりながら為す術なく脱がされた飛鳥
『ほら、風邪引く。入るぞ』
手を引かれる飛鳥は目のやり場に困り下を向きながら連れて行かれる
湯船に入っても秀吉から一番離れたところに浸かり距離をとる
『飛鳥…そんなに離れられると甘やかせないだろ?』
「そんなこと言っても!恥ずかしいし…」
何度も肌を重ねたはずなのに、照れる飛鳥
手を伸ばし飛鳥を引き寄せ背中から抱きしめる
『全部知ってるだろ?あんまり照れるな…こっちまで照れる』
「だって…照れるんだもん…でも…幸せだね」