第50章 夢幻〜政宗〜
団子を食べ終わりそれぞれが政務に戻る中、政宗は飛鳥の部屋を尋ねる。
『飛鳥?』
「政宗!」
駆け寄り飛び付いてくる飛鳥
『おっと…危ないだろ?』
「えへへっ」
政宗はそのまま飛鳥を横抱きにする
『まだ軽いな…』
政宗の首に腕を廻す飛鳥。
「ダイエットになっていいの!」
『だいえっと?』
政宗には通じず、慌てて言い直す
「太ってるより痩せてる方がいいでしょ⁈」
少し考えた政宗はニヤッと笑い
『こっちが無くならなければ』
抱き上げて背中に回してる手でツンツンと飛鳥の膨らみを押す
「ちょっ、政宗!そもそもそこは無いもん!」
膨れて口を尖らせる飛鳥を見つめる
『元気になって良かった…』
熱のこもった目で見られ飛鳥の頬が染まる。
政宗の肩に顔を寄せ
「心配かけてごめんね…」
政宗の頭をぎゅっと抱きしめる
『あぁ…本当だ、心ノ臓が止まるかと思った』
飛鳥の温もりを確かめる。
飛鳥が他の男を想ったのを咎める事は出来ない。
500年も先の未来で愛した男がいなかったとも思ってなかった。
だが、【大和】がどんな風に飛鳥を愛し、夢中にさせてたのか…。
自分はそれを超えられているのか…
それだけが気に病むところだった。
『飛鳥…今日は御殿に泊れよ?』
それは政宗からの夜伽の合図。
飛鳥が不調をきたす前から政務でバタバタしてて一緒に過ごせていなかった。
最後に夜伽をしてから三月…。
無理はさせたくない。
だが、これ以上堪えることも難しい。
『ダメか?』
「ううん…ダメじゃないよ…」
そう言った飛鳥が愛しくて口付けをする。
飛鳥を下ろすと夕刻迎えにくると告げて政務に戻る。
廊下を歩いてると前から来るのは家康
『今日飛鳥御殿に寄越すから。』
今飛鳥が突然不在になれば周りが慌てるだろう。
そう思いたまたまた会った家康に告げる
家康はその言葉だけで察し
『あんまり無理させないでください』
それだけ言って通り過ぎていった。
いつにもなく急いで政務を終わらせ、飛鳥の部屋に行く。