第40章 感謝の気持ち
帰還を祝しての宴の席。
『皆の者、大儀であった』
その声と共に酒を飲み交わす家臣達。
落ち着いた所で飛鳥は信長の前に座る
「信長様…これを…」
『なんだ?』
袋を受け取ってまじまじ見る。
「私が作った御守りなんです。私いつも守ってもらってばかりだから…私の気持ちを込めたので…きっと信長様を御守りしてくれると思います。」
『飛鳥が作ったのか…そうか』
それ以上話さなかったが、信長の顔は微笑んでた。
秀吉と政宗の前に移動する。
『秀吉さん、政宗。はい』
二人が御守りを受け取る
『御守りか。ありがとうな』
いつも通り頭を撫でてくれる秀吉
『これを作ってたからか…部屋に入れてくれなかったのは。でも、ありがとな』
部屋に入れなかった事を指摘されて恐縮するが、政宗もまた頭をワシャっと撫でてくれた。
家康の前に座る
「家康、はい!怪我手当てしてくれてありがとね」
少し顔が赤い家康が受け取ってくれる
『これ作ってて怪我したの?ありがとう』
素直にありがとうと言われ照れくさくなる。
最後三成と光秀の前に座る
「光秀さん、三成くん、どうぞ!」
二人は御守りを手に取る。
『これで寝不足でのぼせたのだな』
クックッと笑っているが、大事そうにしまう光秀。
『ありがとうございます飛鳥様!大切にしますね!』
エンジェルスマイルで見つめてくれる三成くんが眩しい
「皆さん。いつも助けてくれてありがとう。皆んなを守ってくれるようにお願い掛けておいたからね!」
そう言ってふにゃと笑う
飛鳥は大満足して宴を後にした。
オマケ
『飛鳥頑張ったんだな』
御守りを見ながらしみじみ呟く秀吉
『俺の為に作ったんだな』
手の中に御守りを握りニヤッと笑う政宗
『政宗さんの為じゃないでしょ』
そう言いながらも今だに顔が赤い家康
『クックッ、顔が赤いぞ家康』
笑いながら呟く光秀
『飛鳥様の気持ちがこもっていますね!』
キラキラしながら皆んなの手の中を見渡す三成
そんなやりとりを不敵に笑いながら手の中の御守りに微笑む信長
皆が皆【自分の為に】と思って止まないのであった
完