第5章 Important person〜それぞれの想い
小屋の周りで伸びている男達を捉え地下牢に入れる
飛鳥は家康に治療の為に褥に寝かされる
まだ意識は無い
頬の腫れに水で晒した布を当て
鎖骨の傷を見る
『思ったより深い…』
麻酔をかけ傷を縫合する
(きっと傷が残るだろう)
家康は下唇を血が滲むほど噛みながら治療を進める
着物を捲ると脇腹にも痣が残る
『こんなに色が変わるほど力任せに…』
(くそっ!あの時一緒に行ってれば…)
目を背けたくなるのを耐えながら脇腹に軟膏を塗る
家康は飛鳥を救出した時男が果てたと見ていた…
そっと着物の合わせを開く
太ももには血が滲み何かが固まっている
『やっぱり…』
飛鳥は間違いなく手篭めにされている
どれだけ中に出されているかは不明だがすぐに描き出さなくてはいけない
身籠ってしまわないように…
麻酔で意識がない飛鳥に
『ごめん…少し我慢して…』
指を入れ掻き出す
思ってる以上に身体から白濁液が出る…血が混じる
ガタンっ!
『家康!何してる!!!!』
政宗が家康を退かそうと肩に手をかける
『やめてください。これを掻きださないと…身籠って…しまう』
家康の初めて聞く涙声に政宗はその場に崩れる
『飛鳥…ごめんな…俺があの時一緒に行けば…』
家康が必死に掻き出し終わる
『後は…月のものがくるまでわかりません…』
麻酔で眠る飛鳥の着物を戻し、布団をかけて政宗と家康は信長に報告しにも天守へと向かう。