第28章 熱中症にご注意
「ごめんなさい!!!!」
朝餉の時間
そこには広間で頭を床に擦り付ける飛鳥
目を覚ましたのは日が変わった頃。
起き上がるとおでこの布が落ちて、隣を見やると壁にもたれかかって目を閉じている信長様
「あっ…」
声を出すと信長様と目が合い
『目覚めたか…家康を呼んでくる。待っておれ』
そう言って部屋を出て行ってしまった。
家康が入ってくると、その後ろから秀吉さんも付いてきて、身を案ずる言葉と水分をちゃんと取れとのお説教。
自分が熱中症で倒れた事を知ったが、そのまま寝かせられて治療をされ、声を発する前に出て行ってしまった。
そして今…
広間で土下座をする。
『体調は?』
不機嫌に呟く家康
「もぉ、すっかり…」
『あんまり心配かけるなよ?』
心配そうに声をかける秀吉
「うん。気を付けます」
『飛鳥様良くなられて良かったです』
エンジェルスマイルで微笑んでくれているであろう三成
「心配かけてごめんね」
『俺が口移しで水飲まさなかったらどーなってる事か…』
口付けの事を何でもない様に言う政宗
「くっ、口移し…」
『くっ…間抜けなのは顔だけではないのだな…』
小さく笑いながらからかう光秀
「…はぁ…」
『いつ迄そうしておる』
信長様に言われておずおずと頭をあげる
『大事ないか?』
「はい」
『早う座れ』
信長に促され膳の前に座ると、皆んなの顔を見渡し一礼してご飯を食べる
「いただきます!」
オマケ
朝餉を終え飛鳥が広間をでた後
信長が口を開く
『政宗…口移しとは?』
家康が心底不機嫌そうに伝える
『飛鳥に水を飲ますのに俺を跳ね除けて口移ししてましたけど』
『ほう…跳ね除けてまで口移しするとはな…』
光秀がいつになく鋭い目になる
『今回は仕方がなかったが…』
小言が止まらなくなりそうな秀吉に
『でも、お元気になられて良かったですね』
ニコニコしながら三成が言う
ニヤっと笑いながら政宗は布石を打つ
『俺は欲しいもんは意地でも自分の物にする主義なので』
その言葉に武将達は静かに闘志を燃やすのであった…