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【イケメン戦国】誘惑の華

第26章 愛惜の憂苦 続R18 〜信長〜




戦から戻った信長達。

城の中に戻ると広間に人を集め、家康が家臣達に報告を始める。

戦の事。

川が氾濫した為帰還が遅れた事。

『以上です』


報告が終わると信長は秀吉に不在にしていた間の飛鳥の様子を問う

『飛鳥は出立より二日間熱もありましたが、その後体調を崩す事なくお針子の仕事や女中の仕事を…』

そう言って少し口篭る

『なんだ。申せ。』

信長に言われ続ける

『出立より自室にて…寝起きしております…』

『自室だと…?』

信長の声色が低くなる

(ワシが居らぬ間、自室に戻るとは…許しがたい…)

飛鳥が天守で寝起きする事は皆の前で公言した。
それは皆に飛鳥は自分の物と示す為。

飛鳥に要らぬ危険が及ばない為。

愛する人と少しでも共に過ごす為。


頭を下げる秀吉を見やり

『もう良い』

一言だけ呟き秀吉の顔をみる

言わずともわかる。

此奴が何を考え、何をしたか…

そこに密偵をしていた光秀が入ってくる

『遅れまして、申し訳御座いません。御無事のご帰還喜ばしき事です。』

堅苦しく話す光秀を制する

『皆を労う。今宵は宴だ』

そう言って広間を出る

そのままの足で飛鳥の自室へ向かう

『飛鳥』

襖を開けると飛鳥が抱きついてくる

「信長様…信長様」

うわ言のように何度も何度も名前を呼ぶ

腕の中の飛鳥を愛おしく想い腕に力を入れる

ふわっと飛鳥の香りが纏わりつく。

そっと離すと飛鳥が思いたったように離れ、そばに置いてあった風呂敷包みを解く。

「信長様…これを…」

飛鳥の目の前に座ると、そこには真っ白な羽織

鷹と華の刺繍

『貴様が作ったのか…?』

頬を染めながら飛鳥は頷く

『今宵はこれを着よう』

羽織からは飛鳥の香りがした


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