第5章 Ryoma & Satsuki
「奥の部屋で、ボスがお待ちです。部屋まで、白井涼篤と桃井鎖月がご案内致します。」
俺達の仕事はだいたいハニートラップ。女相手だけではない。時には男もおとす。そう、女装。
「2人は変わらず美形だね。」
「「ありがとうございます。」」
ただ、俺はこいつが苦手だ。
なぜかはすぐ分かる…
「やぁ、涼篤。ほんとに君は美しいね。久しぶり。」
佐藤は軽く微笑むと僕にキスを落とした。
「佐藤様、私には?」
鎖月は不機嫌な俺につかさずフォローをいれる。
「そうだね。」
こいつはなぜか俺を気に入ってるらしい。会うたび会うたび触るわ、キスするわ…ただ、それも今日で最後だ。
佐藤は父さんに隠れ麻薬や武器製造を行っている。父さんは気づいたものの佐藤の必要性を感じ、今まで無視してきたものの、今や不必要、むしろ邪魔だと決めた。ならば排除するのが俺達の役目であり、仕事だ。
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「うん、料理も美味しかったよ。和食も久しぶりに食べたなぁ。ご馳走様。」
「満足していただけたようで何よりです。」
「どうかな?少し経ったらビリヤードとかやらない?昔は君の父さんとよくやったものだ。」
「2人で、ですか?」
「いいや、他に何人か誘おう。君たちから何人かだしてくれないかな?」
「分かりました。」
「そうだ、涼篤!」
「…はい?」
「君も参加ね?」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎💢
「はい、もちろん、です…」
後ろで鎖月は俺を慰めていた。