第5章 Ryoma & Satsuki
気づくと鎖月がいた。
「ちょっと!行くって言ったのに、なんで1人で終わらせるの!?」
「っはぁ…まだ、終わってない…」
目の前には部下が殺されたというのに余裕の表情を見せる佐藤。
「そうだよ、涼篤。君の姿を見て思い出したんだ。やっぱり君はあれだよね。10年くらい前に、」
「やめろっ!!!!!!!」
佐藤にが何を言おうとしたかを察したおれは、声を荒らげて叫ぶ。
「やっぱり…運命だね、涼篤。以前から君を愛していたんだよ。なのに君は気づかずにあんな男のところへ。なぜだい?俺はもっと…」
「みどりん!」
俺が刀を抜こうとした瞬間、鎖月が叫んだ。すると声は消え、佐藤は倒れた。
『まったく、予定よりも時間がかかったな。』
無線越しには真太郎の声がする。
「涼篤、大丈夫?」
「…心配ないよ、鎖月。真太郎、死体の処理は頼んでいいか?」
『あぁ、問題ないのだよ。お前はもう休め。』
「頼んだ。」
…過去は消えない。逃げられない。
昔、父さんが言ってたな…