第5章 Ryoma & Satsuki
「涼篤、ほら、さっきみたいに俺の上においで?」
ここからが本番。あいつも馬鹿じゃないのは知ってる。慎重に…
「よし、えらいえらい。涼篤…うなじキスされて感じてたでしょ?」
「…そんな事、っ!」
「やっぱ、思った通り。感度良好だよね〜…耳舐めただけでこんな声出ちゃうんだもん。」
「っ、さと、さまっ…はぁ…もうっ、」
「駄目?感じちゃう?じゃあさ、ここは?」
彼はそう言いながら俺の服のチャックをはずし体をあらわにして、口付け始めた。気持ち悪い、気持ち悪い…でも、まだ。あと少し…
「ど?もう耐えられない?下の方も触って欲しくなってるよ?…」
「佐藤様…うしろからっ、や…」
隠していたハンドガンを手に取る…
「良いよ、こっちを向いて?」
血。俺の視界を一色に染める。
…はずだった。
俺のハンドガンを持った右手は佐藤によって床へ押し付けられ完全に自由を奪われた。
「酷いじゃないか涼篤。」
焦りすぎたっ。
どうりで外で待機してる部下が多いわけだ。
「君、人殺し得意な人でしょ?僕が知らないとでも思った?」
「っ…知ってる割には随分と近づいてきましたね。そんなに私が美しいですか?」
「そうだね、君はほんとに僕のタイプだ。今にも犯したい。それに敵に囲まれてる割には随分と余裕じゃない?」
「そうですね、そもそも私は色仕掛け担当じゃないんです。むしろする必要がないならとことん殺しに行くだけですよ?」
お互い微笑を浮かべると俺は自由をとり戻すべく佐藤のしたから逃げる。すると佐藤の部下共が武器片手に部屋に入ってくる。人数,30人弱。
「思ったより多いと思った?当たり前だろ、そのくらい僕は君が欲しいんだから。」
佐藤の言ってることは言う通りで一斉に取り押さえられたら俺だって逃れられずに、佐藤にやり殺される。
俺は隠していたハンドガンを両手に構え、部屋から逃れた。
「追え!」
『涼篤!今行く!』
無線越しの鎖月の声。
俺の大切な場所を、人を傷つけるわけには行かない。
「…良いよ、相手になる。」
俺は愛刀を手に取り構える。
そっからの記憶はない…