【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第6章 〜コナンとバーボン、密室事件〜
桃園「ええ…。落とさせる時に思わず雨竜くんは掴んだのよ…石栗くんのストールを…!!」
彼女はそう言って、涙ながらに語る
桃園「雪の中でもがく雨竜くんがヘトヘトになった頃に迎えに行くつもりだったんでしょうけど、2mの新雪が底なし沼のように雨竜くんの体力を奪い、私たちが見つけた時にはもう…。
でも失敗したわ…。石栗くんの昼食を確実にアイスケーキにするために、誰でもいいからちょっと怪我させて別荘に招き、昼食の人数が増えればいいなって投げたラケットだったのに…。
まさかそれがモデルの藤峰椎奈に当たって、その上彼女の連れが名探偵毛利小五郎だったなんて…
───私もはまってたかもしれないわね。もがけばもがくほど破滅に導く、底なし沼に……」
そんな彼女の言葉が、外の夕焼けと相まって全員に悲しく聞こえた───
*
伊豆高原からの帰り道、私は行きと同様安室さんの車の助手席に乗っていた
安室「とんだ1日でしたね…。頭の方は痛くないですか? すいません。僕がもっとはやく気づければ…」
椎奈「大丈夫、安室さんのせいじゃないです。私がしっかりして、睡眠薬さえ飲まなければ、きっと楽しい1日になれたんですけどね…」
自分の失態に、今でも私は俯いてしまう。なんとかなったはずなのに、と。すると、優しい手つきで髪を撫でられた
安室「…おそらくこれは僕たちのじゃないんじゃないですか? きっと避けてはならない事件だったんだ。…それに今日はいい収穫がありましたし」
最後がなんとなく明るい声に聞こえ、チラリと彼を見れば前を向いているがその瞳はとてもギラついた色を帯びていた
私はそれに思わず苦笑いをこぼす
椎奈「(…やっぱバレたか、眠りの小五郎のタネが)」
安室「それにしても…ずいぶん必死にコナンくんを僕から遠ざけてましたね。とても仲が良さそうで見ていてムカムカした」
椎奈「え、なんでそんな急に不機嫌なの安室さん…。コナンくん子供だよ?」
降谷「今は降谷零だよ、椎奈」
子供相手に、ムッとした不機嫌な顔をする安室さん、基零さん。
その様子がなぜか可愛くて思わずクスリと笑えば余計に拗ねてしまい、ご機嫌をとるのに帰り道の半分の距離を要したのだった───