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【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2

第4章 〜工藤優作の未解決事件(コールドケース)〜




中居「…あなたが、彼女がこの家を明け渡したっていう沖矢昴さんかな?」

椎奈「?!!」


声音や口調は変わりないのに、私はなぜか努お兄さんに恐怖を感じて咄嗟に彼の顔を見上げた

すると、一般人に成りすましているはずの彼が、命のやり取りにほぼ無縁の私でさえすくみ上がるほどの鋭い目と殺気を沖矢さんに向けていた


沖矢「ええ。そういうあなたこそ、どなたですか? 見た所、彼女とかなり親しい間柄のようで…」

中居「俺は中居努。この近所に住んでる、椎奈の元ご近所さんさ。家が離れた今も、親しくしてる」

沖矢「ホォー、中居さんですか。改めまして、沖矢昴です。この様子だと、椎奈さんの帰りは大丈夫そうですね」


いたって普通の会話だ。沖矢さんはあからさまな殺気に気づいていながら、一般人のふりを突き通している

それにしても、なぜお兄さんはこんなに殺気立つんだろう


椎奈「(…まさか、正体がバレている? いや、それは無いはずよね…)」

中居「───じゃあそういうわけで。ほら、椎奈。行こう」

椎奈「え?」


彼が腕を引いてすぐ帰ろうとするので、私は慌てて沖矢さんに頭を下げて家を出て行った









和人お兄さんの愛車で送ってもらいながら、さっきの沖矢さんに対する態度の理由を聞いてみた


椎奈「ねぇ、なんで沖矢さんにあんな殺気ぶつけてたの? ただの一般人じゃない…」

村田「ああ、一見してな。だがあいつからは一般人じゃないものを感じたんだ」

椎奈「一般人じゃないもの?」

村田「殺気だよ。俺より薄いものだったから君には分からなかったろうけどね」

椎奈「!!」


まさか、あの会話中にお互いがそんな空気を出し合っていたとは…。

声も出せず驚いていると、信号で車を止めた和人お兄さんの手が私の膝の上にいるユキに伸びてそっと撫でた


村田「ごめんな、ユキ。怖がらせたか?」

ユキ「にゃあ〜」

椎奈「平気っぽいね」


きっと、彼の本来の優しさを知っているからこそ、あの殺気の中も平気だったんだろう

いつも通りに愛でられる愛猫を見て、私は小さく笑った



椎奈「(…でも、この子なんで沖矢さんに冷たいんだろう?)」
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