【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第3章 〜探偵たちの夜想曲(ノクターン) 後編〜
*
ユキが探知機分析に飽きてきたのは、在分あとのことだった
小五郎「…もう十分ぐらい経つが、圭さん戻ってこねぇな」
蘭「トイレかな…」
腕時計で時間を見ながらボヤく小五郎さんに、蘭ちゃんがドアの方を見ながらかえす
私が安室さんと目を合わせて頷き合うと、彼は小五郎さんたちに声をかけた
安室「とりあえず我々だけで盗聴器を探し始めましょう。申し訳ありませんが、椎奈さんは僕が探す部屋の中央で携帯に入っている音楽をボリュームMAXで流してください」
安室さんは、その音を頼りに盗聴器を炙り出して潰していく、と探知機を軽く掲げて宣言した
私はそれに頷いてみせると、ユキを蘭ちゃんに託して耳を塞いであげるように頼み込んで携帯を取り出した
*
あれからいろんな部屋を回って盗聴器を探し回った私たち
その甲斐あって、なんともう3つも探し当てた。
そして部屋から出て廊下も探る安室さんに続いて、携帯の音楽を流す私や蘭ちゃんたちが続くと…
安室「…これもそうですね」
安室さんが壁際にしゃがみ、探知機を近づけながら呟いた
私も蘭ちゃんもそれを覗き込むと、コンセントに刺さっている差込口を数箇所設けたプラグに探知機が確かに反応していた
蘭「またですか?!」
椎奈「盗聴器ってどれもこんなものに紛れてるのね…」
蘭ちゃんと私がそれぞれに驚きながら、思ったことを口にした。
今の家は安心だが、念のためにまたチェックしてもらおう。今回の件でそう強く思った
とりあえずの処置として、新たに回収した盗聴器をまとめて入れている袋に突っ込んだ
小五郎「うわっ!」
すると不意に、小五郎さんの短いながらも何かに驚く声が聞こえてきた
思わず何事かと私たちがそちらへ向かえば、小五郎さんがまだ足を踏み入れていない部屋の前で眉間にしわを寄せ、鼻を塞いでいるではないか
まさか、と私はその理由に気づいた
しかし、その時にはもう一拍遅れて私たちにも襲いかかってきていた
小五郎「この部屋、けっこう臭うぞ!!」
蘭「なんなのこの匂い…!」
鼻を摘んだ蘭ちゃんが、部屋へ一歩踏み出した。
その途端、蘭ちゃんの腕の中のユキが暴れ出した
ユキ「ぅにゃあ!! にいぃ!!」