第26章 攻略再開
ケイト「私は…迷ってばかりだ。
誰にも相談できなかった。相談しても笑い飛ばされるだけだった。
泣き叫んでも、何したって、どれだけ主張したって同じだったんだ。
いつの間にか、自分を責めればいいんだって思うようになった。
自分さえいなければって、そう思わないとやってられなかったから」
クレハ「そんなこと!」
ケイト「ああ。今は解ってるよ。
そんなこと、なかったんだってさ。
人の責任まで背負い込むことなんてない。
それは、ちゃんとわかってる。
教えてもらった。身に沁みて、理解できた。
そのはずなのに…また、戻りそうになる自分がいるんだ。
人を責めれば、傷付くことだってある。
私はそれが嫌だから、どうしたって自分が悪いって抱え込もうとしちゃうんだ。
される側の気持ちが、わかるから…」
クレハ「それは相手側の助長に繋がりますよ?」
ケイト「うん。
クレハはそういった先まで、いつもちゃんと見てくれる。
客観的にとらえて、私に教えてくれる。
私も客観的に見てるつもりでも、どうしたって死角や限界がある。
誰にでもあるから、それは同じだ。
でも…私はどうしても、相手を立てようとしてしまう。
自分というものを持ったらいけないんだって、それが怖くってたまらなくなってる。
否定したり拒絶したらイケナイ、そんな環境だったから余計に…
怖くなって、不安になって、自分なんてって……」
そう俯いて、両膝を抱え込む彼女は震えていた。
震えた声で、涙を流していた。
ケイト「私は弱いっ…;
強く持つことなんて、怖くてたまらない(がたがた)
どうしようもなく怖いんだ。
怖くて怖くて、どうしようもなくなる。
有無も言わさず、蹴ってきた。殴ってきた。殺そうとしてきた。
いない方がいいって、何度も何度も…誰も痛くない、助けてくれない、死ねばいい、消えればいい、この世から消えてしまえばいっそ;;」
その言葉が、語っていた。
彼女の奥底に潜む闇は決して消えないことを。
長年にわたって続けられたDVといじめの弊害が、常に伴い続けていくだろうことを。
何より…
心だけでなく、身体にまでその当時の恐怖が染みついていることを。