第25章 花見
クレハ「ケイト、ここは47層です」
ケイト「?うん」
クレハ「したがって別のフォレストエルフだと考えるべきです。
3~9層にて行ったクエストの依頼人、キズメルの宿敵ではありません」
ケイト「……そっか。そうだったのか」
クレハ「ええ」
ケイト「…エルフさん、すみませんでした」ぺこり
「…」
そう頭を下げて謝る中、フォレストエルフは未だに森の奥へと目を向けたままで
ケイトの方へは見向きもしませんでした。
ケイト「?何で反応しないんだろ?」
クレハ「この場合考えられるのは、おそらく話しかける言葉が不適当だからでしょう。
あのように一心不乱に一点を見るばかりで身動きもしない。
この状況では、まず相手に何があったかを尋ねるべきです。
『どうかしましたか?』」
そう尋ねた瞬間、エルフから『!』マークが現われた。
それが表すのはすなわち《クエスト開始点》のマーク…うまくいったようですね。
エルフ「はっ)ああ、すまない。
私達はここより北の森で暮らしているエルフなのだが、この森の奥へ我妻が入ったきり戻ってこないのだ。
その奥にある《桜》というもので花見をしていたのだが、忘れ物をしたようで」
クレハ「つまり、妻が戻ってこれなくなったと」
ケイト「到着点に妻がいるって可能性もあるよね」
キリト「じゃあ探しに行くか」
アスナ「ええ。流石に放っておけないし」頷
クライン「所で、その奥ってのは一体どうやりゃ辿り着くんだ?」
エルフ「それは、鳥が指し示す方向にあるだろう」
ケイト「…謎解き?;」
クレハ「鳥の鳴き声がする方に行き、その向いている方向を確かめて行けということでしょうね。
まずはマッピングしつつ、鳥のいるポイントを確認し
それからその方向を確かめて書き込んでいきましょう。
その向きを線とし、交差するポイントこそ到達点のはずです」
『了解!!』
エルフ「すまない。我妻を助けてやってくれ!(お辞儀)
私はここで待つ。入れ違いになるやもしれぬ故」
ケイト「任せて下さい!
クレハ、書き込んで整理するのはお願い!
私は道中の敵をひたすら倒す!」ジャキッ!!(抜刀)
クレハ「わかりました!」
キリト「そそる展開だな、これは」にやり
一人呟くキリトは、どこか満足気に笑みを浮かべていました。