第24章 誕生日とエイプリルフール
クレハ「私はきっと、彼女に会う為に…ここに来たのでしょうね。
最初は世界初のVRMMOということで
お母様がきっと喜ぶだろうと思い、お爺様に買ってもらいました。
でも、お前がやるべきだと言われ、SAOを始めたのです」
その本当の旨を告げる中、少しだけ昔のことを思い浮かべた。
私は母親がいたからこそ始めたことになったのだと理解していた。
それでも帰ろうとした。死んで帰ればいけると。
けれどそれは…現実的にも死ぬことだった。
クレハ「あなたが引き合わせてくれたこと、心から感謝しています。
あの当時、言えなかった言葉を言わせて下さいっ;(涙震)
私を産んでくれて、いつも傍に居てくれて、本当にありがとうございます。
今もずっと…いつも」
それ以上は言葉にならなかった。
クレハ「なので、もう心配しないでいいのですよ。
どうか、幸せになって下さい。他でもない、あなた自身の為にも。
私にはもう大切な仲間ができました。
何より…ずっと待ち望んでいた存在が。
生まれて初めての、共に鎬を削ることができる最愛の親友が」
涙ながらに語る中、私は笑った。
彼女達との想い出を思い出して、不思議と笑みが零れていた。
そう語りながら、私は十字架の前から立ち上がり
そろそろケイトの元へ戻ろうとしていました。
クレハ「彼女達と共に、私は進んでいきます。
そしていつか、必ず帰って墓前に報告に行きますから。
その時まで、どうかお元気で」
笑いながら立ち去って行くと、突然鐘の音が響きました。
まるで、母が「いってらっしゃい」と言うように…
笑って祝福してくれているようにも聞こえました。
その音に、私は涙をこらえながら「いってきます」と満面の笑みで答えてから
私を待ってくれているケイトの元へ走って行った。
ケイト「お~い!おっそいぞクレハ~!」
クレハ「待たせてしまってすみません」
ケイト「あんまり遅いとお仕置きするぞ?」
クレハ「して下さってもいいですよ?^^」ふふっ
ケイト「ん?
んじゃあクレハのマッサージだああ^^♪」にや&だきっ!
クレハ「きゃあっ^^♪」くすくす
そうして、変わらぬ毎日を過ごしていた。
楽しい、輝きと温かさに満ちた日常で…
幸せだとしか、感じなくなるほどに……