第24章 誕生日とエイプリルフール
2024年3月19日
PM3:30
白の鳳凰、ケイトの仕事部屋(団長室)。
当のケイトは机に向かっており、伸びをしていました。
それを尻目に、私達は会話しています。
クレハ「手順は解っていますね?」
キリト「ああ」
アスナ「ごく自然の流れである場所に向かわせるんですよね?」
クレハ「ええ」
アスナ「ホワイトデー、空気を読んで渡すのを1時間後にしたんだから…
1分ぐらい二人っきりでもいいですよね?」キラーン
キリト「おいおい;(また喧嘩を売るようなことを;」苦笑
クレハ「ええ。その節は本当にありがとうございます」ぺこり
『え』驚
その折、礼を込めて頭を下げたのですが、当の二人は目を丸くするばかりでした。
当時、ケイトと私の会話を聞いて突入して渡すはずだったプランを一時停止、
それからある程度時間が経った後で突入し、チョコを渡してくれました。
ケイトと私へ向けて。
クレハ「?どうかしましたか?」訝し気
アスナ「いえ…その;」しどろもどろ
キリト「てっきり嫌だって言うかと;」汗
クレハ「溜息)あの会話の内容を聞いていて、それができる方がどうかしています。
彼女は一人だけのものではない。
彼女は彼女のもの。そして彼女にとっての幸せとは、大切な者達の幸せ。
それにはアスナもキリトも含まれています。
その時間が少しでも増えることに嫉妬し、奪おうとするなど、実に愚かな事でした」目を伏せる
『当の本人は望んでいないというのに』という言葉と共に溜息をつくと
その会話の内容を思い出したようで、納得したように頷いていました。
アスナ「うん…そうよね。
私も、自分のことしか見えてなかった。かも」俯
キリト「ん…まあ、本人はそれほど」
クレハ「いいえ。泣きじゃくるほど、私かアスナの選択に苦しんでいました」
キリト「えっと…;
(なんか不味い雰囲気になってないか?;」たらたら
クレハ「私がもっと早くに気付いていれば」溜息
アスナ「いいえ、私の方こそ夢中になってて」溜息
キリト「二人そろって落ち込んでる場合か?;作戦は?;」
溜息をつきつつ、床へ手を突きながら落ち込む私とアスナに
キリトは冷や汗交じりにツッコむばかりでした。
結局、冷静に戻るまで数分もの時間を要しました。