第23章 イベント行事
~おまけ、終~
・ホワイトデー
『一緒に居るだけでよかった。
生きてさえいれば、何でもよかった』
母を失った時、私は強くそう思った。
『もっと一緒に、たくさんのことをしたかった』とも…
でも、いつしかそれに蓋をしていた。
抱いていても、叶いようのないことだと解っていたから…
死んだ人は、決して帰ってこないのだと身をもって知っていたから……
いつの間にか、考えないようにしていたのかもしれません。
その想いを抱きながら、そのケイトの言葉に私は笑った。
クレハ「微笑)それも同じですよ。
いつも…いつも、本当にありがとうございます。
こんなにも幸せを願ってくれて、考えてくれて、そのような友に会えて…本当によかった^^」号泣
ケイト「クレハ…クレハあああ;(号泣」ひしぃっ!!
互いを強く抱き締め合いながら、私達は少しだけ前へ進めた気がした。
気付くことさえもなかった頃からすれば、非常に大きな一歩を。
私の為に泣いてくれた。それがどこか嬉しくて、でも負い目も感じていて…
それでも一緒に居たいと願ってくれたことが
とても喜ばしくて…気付けば笑っていた。
それから数秒後に、14日へと日付が変わり
その時、私はケイトへチョコを渡しました。
ケイト「!」
クレハ「受け取って下さい。
嫌だと言っても離れない。
そのことに変わりはありませんが、『自分』というものを見つめ直すきっかけをくれた。
せめてもの礼として」
ケイト「バカだな…;
私が先に、渡そうとしてたのにっ;」ぐすっ
そうケイトは言いながら、笑ってチョコの包みを懐から取り出した。
クレハ「あら、潰れてしまってますね」驚
ケイト「ははっ;変なお返しになっちゃったじゃんか^^」くすくす
クレハ「有難く頂戴します♪骨の髄まで食べ尽くすつもりで^^」くすくす
ケイト「むっ。私はカバーまで舐めたぞ!」えっへん!
クレハ「そこで変な競争心を出すのはいかがなものかと」
目を伏せて笑う私を尻目に、ケイトはチョコを受け取るや否や
『どっちが愛しく食べれるか勝負だ!!』と言いながら包みを取り
チョコの写真を撮った後にバクバクと食べ出した。
それを見ながら私は、そんないつもの空気に笑いながら
ケイトからの潰れたチョコを美味しく頂きました。