第17章 不測の事態
その後、必死に探し回ったまま夜は更けていった。
それまでに光状態について説明したわけなのだが…
キリト「つまり、『一連の行為』を終えるか、安定した足場に『着地』するまでは解けない。
その上、『攻撃に対して迎え撃つ意思』や『危機感』で発動できて、空中でも攻撃が迫った瞬間には自動的に発動するのか」
クレハ「ええ。
空中においては攻撃が目前に迫ることから危機感を感じ、それによってギリギリのタイミングで発動できていました」
クライン「無敵じゃねえか!!;」
アスナ「あの、神速格闘術のソードスキルも同時発動できるんですか?」
クレハ「ええ。
光状態であっても、神速格闘術上位剣技も発動できていました。
あれはボスの周囲を回るように走りながらの連続攻撃なので、その為の光状態ではないだろうかと」
『最上位だもんな;』
その言葉に感心する中、アルゴが訪ねてきた。
アルゴ「フィ~;
隅から隅まで探し回ったがいなかったゾ;」
キリト「だろうな;
追跡を発動してみたけれど、あのボス部屋で切れてたし」
『…はあ;』溜息←心配極まりない人達
ちなみに、追跡とは《索敵》スキルの派生機能。
指定したプレイヤーの足取りを追うことができるもの。
手順は、スキルタブから《索敵》をクリック。サブメニューから《追跡》を選択する。
入力窓にプレイヤー名を入力すると、道路上に薄いグリーンに光る足跡が出現する。
足跡は、時間が経過するごとに薄くなる。つまり、濃さによって近くにいるのか遠くにいるのか推測することができる。
アスナ「返事、来てないわよね」ずうん
ヒースクリフ「彼女のことだ。
きっと今頃倒し終えて寝ている頃じゃないかな?^^」
『んなのんきに考えられるか!!!!』
そんな騒がしい会話の中
クレハは談話室を出て、自身の部屋へと去っていった。
アスナ「!クレハさん?」
アルゴ「そっとしといてやレ。
心配で仕方がないんだロ」
それから会話が断てば気まずくなる上、心配に押しつぶされそうになることから
ケイトのソードスキルや光の件で騒ぎ合っていたのだが…
キリト「ケイトから連絡が来るまで待機ということで」
『了解』
日付が変わった頃、ようやく落ち着いて眠りにつくことになった。
だが一人だけ…眠りにつけない人がいた。