第3章 第一層攻略
吸い込まれるように一瞬で
消えたように見えて、その連続の動きのはずが一つの動きに見えて…
本当に、凄かった。
それ以外、形容しようがないほどそれは圧巻だった。
キリト「…」
アスナ「行くわよ!」
キリト「はっ!)
あ、ああ!」
呆気にとられている中、アスナの呼びかけで俺は我に返った。
そしてケイトがボスの目を潰すと同時に、短剣で襲い掛かるのを先頭に
ディアベルの指揮のもと、各チームの連携によって順調にボスと戦えていた。
俺が相手の武器を跳ね上げ、その隙にアスナが攻撃を加える。
アスナはAGIへ多めに降っているらしく、初心者とは思えないほどの速さだった。
ケイトはAGIへ全振りだから、先程の異様な光景にも頷ける。
あの投剣スキルは、敏捷性のステータスが高けばスキルに補正されてくれる。
要するに…それだけAGIが並外れているってことだよな。
そう情報を整理している間に、ボスのHPが残りわずかとなり、情報通り武器を持ち変えだした。
するとディアベルが皆に下がるよう指示し、一人でボスに突進していく。
キリト(ここは、パーティー全員で包囲するのがセオリーなはずなのに…)
そう考えた直後、俺は違和感に気付いた。
キリト「タルワールじゃなくて野太刀!?
βテストとは違う!)
ダメだ!全力で後ろに跳べ!!」
そう叫んだ直後、ボスの刀スキルが…
誰もがあっと思った瞬間、ディアベルを襲って無残にも斬られていく……
はずだった。
キリト(襲われる。この距離じゃ間に合わない!)
俺がそう思ったその瞬間
白い流星が見えた。
いや、違う。
白づくめの装備に身を包んだケイトが、ディアベルへ迫っていた。
ケイト「ラピットバイト!!」
そのボスの刀スキルを行っている、刀の横側へ突き刺すように突きを繰り出した。
短剣の中級突進技、単発刺突スキルだ。
それで横へ攻撃スキルがずれたことで、ディアベルは護られた。
それから俺は動いた。
アスナと共に、ボスを攻撃するために。