第13章 生きて
クレハ「あなたは…死んでいない。
今、こうしてここに生きている。
他でもないあなただから、私は思いとどまれた。だからこそ今生きている。
他の白の鳳凰のメンバーもまた然り…
あなたがいなければ、これほどの人は動かなかった。
救われなかった。生きていることさえもできなかったでしょう。
全て…あなたがいてくれたからこそです。
あなたがいなければ、もっと多くの人が死んでいた。殺されていた。絶望の末に自殺していた。
元の世界に帰るために…手段を択ばずに自殺する人だっていたでしょう。
…だから、一人で背負い込まないで。
あなたが私に、そうしたように…
私もあなたに、そうして欲しい…」
その時、真っ直ぐに向けられた目が見えた。
その目には涙が滲んでいて
頼られない事の悔しさ、生きて欲しいという想い、未来も共に居たいという願い、自分をもっと大切にして欲しいという望み、
私を心から心配し、慈しんでくれている切実な愛までもが伝わってきた。
クレハ「だから……(俯&震)
生きることを、捨てないで。
生きて……
私達と一緒に、これからも………!」
ケイト「……ああ」
クレハ「!」顔を上げる
縋るような手に、服ごと握り締められている感触に
俯きながら、震えながら、切に望まれた言葉に…想いに、私は頷いた。
死を知り、心細い思いをさせたのか…不安にさせたからか……
先程呟いていた時、泣きそうな、不安げな表情になっていた。
そして俯いた時、雫が落ちていった。
哀しみと不安に満ちたクレハの心をどうにかしたかったというのが大きかったかもしれない。
でも…今抱いているこの想いは本物だ。
驚きに満ちた表情の彼女に
私は、今一番伝えたい言葉を放った。