第12章 学び
俺の命は、一人の人によって救われた。
俺の名はグレイク。
日系の外国人で、生まれつき緑色の髪と瞳をしている。
そんな出で立ちから、奇異な眼を向けられることが非常に多い。
『染めているんじゃないか?』
『コンタクトじゃない?』
『目立ちたくてやってんじゃないの?』
そんな無粋な声が、何度も俺を幼い頃から刺し続けていた。
生まれついての外見の差から、好き勝手に言われるばかりだった。
そして…死ぬことばかりを望まれた。
異母…つまり、不倫によって生まれた子だった。
でも財産を受け継がれて、殺そうとされるばかりだった。
絶望した矢先、このゲームに出会った。
そうして、期待と共に遊んでいたら…さらに絶望した。
2層クリア?知らない。
俺は……生きていて、良い存在じゃない。
『どうせ財産貰うんでしょ?』
『殺したんじゃないの?事故に見せかけて』
違う…俺は…そんなんじゃ……
異母も死んだ、父も死んだ、子供達も死んだ。
その母は産んだ時に死んでいた。
誰も聞いてくれない、誰も…いない。
生きてたって、仕方ない。
事故の中、たまたま俺だけが生き残った。
外に出て、殺されることに決めた。
圏内ではHPは減らない。圏外に出て…殺されよう。
あの人に初めて出会ったのは、その矢先だった――