第9章 すれ違い
白の鳳凰は、中心ギルドとして機能し始めていた。
というのも、合併や支援などで寄り添うことを選んだからだ。
その中でも特に、攻略課や警備課やレッドオレンジ対策課は力が必要になるため、日夜修業に明け暮れている人達が数多く存在する。
かく言う《月夜の黒猫団》もまた、攻略課を目指しており、5人一組で行動しているらしい。
ちなみに攻略課とは、攻略組へ参戦することを赦された人達だ。
それに選ばれるためには選抜戦で上位8名に入らなければいけない。
今のところ、月一で総当たり戦をすることになっている。
だけど、ケイトと俺とアスナはもともと攻略組のため
その選抜戦を受けるべき対象から外されているようだ。
月夜の黒猫団の皆にも、そのことを伝えた。
すると、なおさらに頑張ろうという気持ちで修業へ取り組んでいた。
ケイトの修業にもへこむことはなかったし、アットホームな所も変わってなくて…
どこか、安心した。
俺達はそろって、27層の迷宮で修業することにした。
1つにつき+50ずつ強化した、5つのセット装備・セリオン防具もあるから、十二分に耐えられるだろう。
その性能はクライン曰く、「ダメージが全然来ねえ!」だそうだ。
そのおかげで、ボス攻略でも安心して取り組めるようになったほどだ。
あの108個もの素材を組み合わせて1つの装備を作るという
「誰も思いつかない発想力」と、なおかつ「それを成し遂げる行動力」が合わさった結果だろう。
今となっては、それを生み出す製法を編み出したケイトに誰もが感謝していると聞いている。
そんな雑談を交わしながら、俺達は27層迷宮内へと足を踏み入れた。