第8章 レジャーランド
ストレス発散のため…
ケイトちゃんとも沢山話し終わった。
それから、多種多様の風呂を回ることになった。
その中でも、ケイトちゃんオリジナルの『星風呂』というものがある。
幻想的な光景が、風呂の中にあった。
潜ることができる仕様になっていて
黒地の風呂に、プラネタリウムのように様々な色の光が浮かんでいた。
潜ってみると、頭上以外全てがそれに覆われていて…
とても…落ち着くものだった。
温泉のような見た目だったので熱いお湯を想像していたけれど
湯の温度はそれほどでもなかった。
かといってぬるいと言うほどでもなく
その温かさは、入った瞬間からじんわりと身体中に伝わっていった。
アスナ「ふわぁあああ……」
意図せず、気が抜けた声が漏れてしまう。
こっちの世界に来てから緊張してばかりの毎日だったので、こうやって心置きなく力を抜ける場所というのは久しぶりだった。
しばらく風呂の温かさを堪能した後、おもむろにメインイベントに移る。
大きく息を吸い、一気に風呂の中に潜った。
注意書きにはこうあった。
『名前の由来は潜ればわかります。ご堪能あれ。』
アスナ「!きゃああああああ!!><//」
目を開けた水の中。
そこには、実に幻想的な光景が広がっていた。
風呂の壁から不規則な光を振りまいて、水の中に光の芸術を作り上げていた。
小さな円状の光点が、何度も瞬くそれはまさに星空…
しかもその光点は水に揺られて僅かずつ揺らめくため、中を照らす光も一瞬たりとも同じじゃない。
一瞬一瞬毎に変わるその光と水の世界に、言葉もなく見入っていた。
アスナ(この世界に来てよかった)キラキラ&微笑
最初は興奮交じりに喜びばかりが溢れていた。
ここでは、『水の中に入ると息が苦しくなる』という効果はないし、水の中で目を開けていても目が痛くならないし、普通にしゃべることすら出来る。
水の中にいる状態では、速度に僅かにマイナス補正がかかって、息が続かなくなる演出としてその潜ってる間は時間の長さによってHPが減っていく。
それでもここでは、水の中でも陸上と同じように活動出来るようになっているとも言える。
そしてここは圏内だからHPは減らない。
だからこそ…
今はただ純粋に…その楽しさに、幸せに包まれていた。