第42章 お泊り・1日目
あの当時は…父親の件もあって人が信頼できなかった。
心を開けるわけもなく、話せば否定されるばかりだったから余計に。
そんな中で、自ら話しかけてくれたのは初めてだったらしく
話すようになってから勇気を出して尋ねると、そう言ってくれたことがとっても嬉しかったこと。
勇気を出して、外へ向けて踏み出すきっかけとなったこと。
出会った当初に普通に話せたのだって、恐怖が常に付きまといながらもその友達と話した状況を想い描きながら頑張ったからなのだということ。
助けたいという想いから走り続け、ここまでに変わったこと。
クレハ「最初に心を開けるきっかけがあったからこそ、私もまた心を開けるようになった。
その友達となった方がいたからこそ、私は救われたと言っても過言ではありませんね。
本人に言うとオーバーだと言われるかもしれませんが」
ケイト「絶対送っちゃダメ!!!」
クレハ「はいはい。わかりましたとも。
きっと…その想いは伝わってますから。
一々これを送らなくとも、そのケイトの育った環境や想いを教えたのなら…きっとわかるはずです」
ケイト「…でも、私は自分のミスが赦せない。
視線がジュン君の方に向かってたからって勝手に早とちりして、励ましたくって「ジュン君はジュン君」って場違いな言葉を…
死にたい;」ずううん
クレハ「誰でもミスはあります。ただの勘違いでしょう?
あなたの場合は励ましたくて声をかけた、でも違ってた。
気付かずにしたとはいえ、相手を想うからこそ励ましたくて起こした行動でしょう。
それで逆に苦しめた、傷付けてしまったと想定して、こんがらがって泣き崩れて…
たとえあなたが自分を赦さなくとも、相手は気にしなくていいと言ってくれたんでしょう?」
ケイト「でも赦せない(ばきっ!ばきっ!)
死んでしまいたい;」ばきっ!ばきっ!
クレハ「自分を殴るのはやめなさい!」両手押さえ
ケイト「私の気が済まない!;」振り払う
クレハ「死んだ所でそれは無くなりません」
ケイト「うぐっ!;」
クレハ「これで3度目ですよ?
日が近付くだけで毎年そうして死のうとして…こちらとしてはたまったものではありません(溜息)
自分を気が済むまで殴れば満足ですか?」
ケイト「だって…だって……」
クレハ「あなたのそういう引きずり癖も治さないとですね」