第41章 冬での一時
ケイト「気が済むまで自責した後で、まず本来持ってた自分を思い出して欲しい(両肩を掴む)
事件の前の自分がどんなものだったのか。
で、その上で殺しをしたことの意味を背負って欲しい。
殺しはいけないこと。でも護られた命はある。
その両方と向かい合って、背負って、それでも生きていかなければいけない。
思い出して苦しくなっても、前を向いてその人の分まで生きていく。
その人のことは忘れない。殺したその感触も絶対に!
それが、殺した人にできる唯一の償いだと思っている。
でも…もうとっくに、シノンは果たし続けていると思うよ」
シノン「…え?」驚
ケイト「シノンは、そんな人に暴力を振るって当然って犯人にも、たとえ死んでた方がいい人間でも、殺したことに負い目を感じている。
『殺し』って点に目を向けて、逸らしちゃいけない部分とちゃんと向かい合っている。
だから、凄く立派だと私は思う。好感がすっごく持てる」淡々
シノン「…」ぽかーん
ケイト「それにさ…
それだけ負い目を感じ続けているってことは、それだけ『人の命』を大事にしているってことでしょう?
シノンは優しいよ」微笑&きっぱり
自信満々に、真っ直ぐに目を見つめながら笑いかけてきた。
まだ知り合ったばかりなのに、それなのに…
見透かしたような態度が気に食わない?違う
ただ…私は……
ケイト「だから辛くなったら言ってね?
愚痴ならいつでもいくつでも聴くし、対応策だって頑張って考えるから!」拳握
こんな人に…出会いたかった。
友達として…一緒に通えたらって思ってた。
夢見ながら…変わりようのない現実に歯がゆい思いもした。
でも…今だから、こう思う。
今会えたから…ここまで変われたんだ、って。
その想いも抱いてる気持ちも全部伝えると、ケイトはとても嬉しそうに満面に笑ってくれた。