第41章 冬での一時
ケイト「そういえば現実で銃を持つだけでパニックに陥るって言ってたね…
なら、こう考えるといいと思う!
いずれにせよ、ただの道具だ。自分から動くことはないって」
シノン「ええ。当然よ」
ケイト「だからこそ、それによってどんな結果を引き起こすかはそれを「持つ人次第」だ。
責任も必要だろうけど、これは物でしかない。何の意思もないものだ。
それに自らの意思を吹き込むのが、人だ」
シノン「!…正論ね」
ケイト「だから、これに恐怖を抱く必要はないと思う。
物は決して、自分から動いたりはしない。
大事なのは…どんな意思を持って、どの目的で物を手に持って使うかということ。
それを悪いことへ使わないこと。もし使ったとしても、繰り返させないこと。
それこそが重要になるんだと思う」
シノン「…なるほどね。そういう考え方もありかもね」微笑
ケイト「シノンは護る為に使ったから、その起こした行動自体に罪はないと思う。
それは周りの命を助けることに繋がるし、生まれてこない命までも護れたんだからさ。
ただ、その結果失った命もある。それは一生背負わないといけないものだ。
でも、それで自分を殺すんじゃなくって…背負って、その分まで強く生きて欲しい。
その上で前を向いて…自分という人生を生き抜いて欲しい。
反省と後悔は似てるようで違う。
反省は前に進む為に、生かす為にどうすればいいかを考えた上で突き進むこと。
後悔は…ただ過去を嘆くばかりで、どう繋げれば過去のそれを生かせるか、無駄にしないかを考えてない。
だから…背負うべき点は、『自責』じゃないと思う。
それでお前の心を殺していれば、お前はお前として生きていられなくなる。
私としては、それでお前という人格が無くなる方が嫌だし、幸せになって欲しいとも思う」
シノン「…」
顔をあげると、真っ直ぐな眼が向けられていた。
私のことを、真っ直ぐに…
そしてその眼は、周囲から向けられていた責めるような眼じゃなかった。
不器用な言葉ばかりだけど…拙い表現だけど、言いたいことは伝わってきた。