第41章 冬での一時
ケイト「ねえ…
知り合いの人にいつもバカバカ言われるんだけど、頭のネジ一本抜けてるって感じのバカ?;」おろおろ
キリト「え?ああ、それは、う~ん;」←どう誤魔化そうか悩み中
シノン「そうね。バカよ」淡々
いいセリフを言おうと腕組みしているもう一人の馬鹿(キリト)を差し置いて、すぐに言い切った。
ケイト「ええ!?;」
シノン「頭のネジが100本ぐらいは飛んでるんじゃないの?」くすっ
ケイト「ええ!!?;100本も!?;」ガガーン!!
キリト「ちょっ。
おい、シノン!言い過ぎだ」
そんな中、あいつは後ろから肩を掴んできた。
その前に白目をむいて魂が抜き出たようにその場で固まるケイトがいたけど、生憎私はそれに目を向ける余裕がなかった。
シノン「…もっと、早くに会いたかった」
自然と涙が溢れてきた。
ぽとっ
一つの言葉と共に雫が落ちていって、それを見た途端にキリトの動きが強張るのを感じた。
シノン「ずっと、そんな言葉を向けてくれる人が欲しかった。
そんな部分へ、目を向けてくれる人が…あんな風に言ってくれる人間が……
あんたも…救われた口なんでしょ?」
キリト「…ああ。それこそ、何度救われたかわからない」
シノン「…そう。大切にしなさいよ」じろっ
キリト「言われなくても大切にしてるって…初恋だし//」ぼそ
消え入るような声で言っていたけど聞こえてるわよ(じと目)
シノン「…
(くす)馬鹿みたいでしょ?」
キリト「え?」ぽかーん
シノン「ただ、偶然…会っただけだったの。
危ない目に遭ってて、急に割って入ってきて、初めて会った人なのに必死に助けてくれて…
助けを求めたら必死に助けようとしてくれた…
それだけだったのに……」遠い目
ぽとっぽととっ
何かが流れ落ちるような音がした。
キリト「ぎょっ!!)!!;」
シノン「何ででしょうね…
やるべきことが見えて、目の前が開けたように感じた。
会った時からすれば…比べようもないほどに。
だからかな…私も、あいつのことを助けたいって思ったの。
感謝しても足りないぐらいで…
ただ漠然と…『大事にしたい』って、そう感じた。
でも…どうすれば助けられるのか、わからないのよ。悔しいことにね」俯
涙が止めどなく落ちていくばかりだった…