第35章 結婚式
ケイト「武士の位じゃ。
もし殿へのお声がけの際、言葉遣いを間違えれば手打ちの可能性も致す。
戦国時代故、戦がない時は平和だが、どこか張り詰めている者もおる。
やはり戦が行われることが多く、統制も取りきれておらぬ故過敏になっているのであろう。
戦国時代の中、ようやく落ち着きを取り戻してきたかと思えば…天正に入って余計に激しくなった。
特に最期の戦はあまりにひどく…負け戦だったのだろう。逃げた者達が生き延びてくれればよいのだが」目を伏せる
直葉「…殺しをしてない?」
ケイト「迎撃はした。だが追い払った程度で殺してはしておらぬ。
小物として取り立てられる地位の時点から、既に元服した者が非常に多い。数えにして15、やはり幼いからこそ戦場には向かぬ。
同情は不要だとの声があったがやはり妻や先んじて死なれる哀しみはよう知っておる。親もまた悲しむだろう。奥方様も泣いておられた。
だからこそそれを貫くわけにもいかぬ。
故に甘さと呼ばれる。私を殺した者達は容赦なかったというにな(ふっ」遠い目
それから後、ケイトは深々と溜息をついた。
ケイト「何とか敵を引き付けて自陣のものを逃がそうとした。
じゃが小屋に入って武器を調達しようとしたがそれは農民のものらしく武器もなく
弓で鎧を貫かれ、袈裟斬りに切られて死んでいった。
一人きりでな。
武家の生まれでいながら殺しも出来ず、残してきた子や妻が心配だ。
元服した時に前田利家様に君主が変わった後だったので仕えたのだが、やはり…
腕前だけで足軽と召し抱えられても、何でもできるというわけでもなかったな。
小者や中間という立場を超えて、最初から足軽など…期待に応えられず申し訳が立たない」しゅんっ
『…随分と飲まれてるぞー;』
ケイト「はっ!)…え?あれ?;」きょろきょろ
クライン「拙者とか言わないんだな;」
キリト「というか…どっちにしろ本質は変わらないんだな」
アスナ「魂自体は変わらないからかな?」
リズベット「あー。前に言ってたように、幽霊と魂は別物だって話ね」
シリカ「確かに。言葉遣い以外で見ても、その本質は丸ごとケイトさんそのものですしね」
直葉「というか…本当に凄い。前世の記憶かあ~、私も見て欲しいなあ」
『え;』
直葉「え?何で硬直?」