第1章 リンク・スタート!
先程の5体で、レベルが4に上がった。
レベルアップからのステ振りは『筋力』と『敏捷力』だけ。
私は全て敏捷(Agi)に振った。
クラインはバランスよく、少しだけAgiを多めにしているようだ。
キリト「?全部Agiに振るのか?
もう少し筋力の方に振ったらどうだ?バランス型の方がいいと思うが…」
クライン「そうだな、やっぱ攻撃力も上げた方がいいぜ?」
ケイト「う~ん。
でも私はやっぱり、すぐ駆けつけられるようにAGIonlyであげてくよ。
その方が手数も増えるし、やれることの幅だって広がりそうだから」
キリト「そうか」
ケイト「体の部位には、各々にあった動き、一番力を強く発揮できる動かし方があるんだ。それを全て把握して、繋げることで計算上全身の力を相手との接触部一点に集約できるんだ。
全身の動きにおいても、足の蹴り出しとか、その時の全身の動きで強まったり弱まったりする。それを全て動こうとする方向へ向けて、そっちへ行く際に全身が最適な動きにして繋げる。
つまりを言うと…全身の動き、速さ、力の合一化と考えればいい」
キリト「へえ。逐一考えてやってるんだな」
ケイト「慣れると早いよ?
例えば腕に関しては、外側への力は発揮し辛いけれど、内側への力は強く出せる。そういう構造だからね。
それを利用しつつ、左腕で肘打ちを外側へ打つ際に、右手を添えて押す力を加えていたのはそれでだったんだ。
威力を強めるため」
クライン「なるほど。
さっきやってたのはそういうこと全部生かしてるってわけか。いわゆる集大成か?」
ケイト「うん」
キリト「道理でスキルなしで倒せるわけだ。
要するに一番強く力を発揮できるやり方を熟知しているからこそ、StrやAgiで片付けられないような力を出せていたんだな。
あの狼が倒れたのもそれでだろうな」
そう話し合う中、夕暮れまで狩りは続いた。