第3章 気のせいじゃないです、お嬢様
【国木田さんside】
「やれやれ…寝てしまったか。」
自分の腕の中で静かに眠る彼女を見て、俺は微笑んだ。
そのまま彼女をベッドに寝かせると、少し躊躇いながらも、額に軽くキスを落とした。そして、
「…お嬢様はもっと気を付けないと、何時か襲われてしまいますよ…?」
しかし、耳元でそう囁かれたのにも気付かずに、お嬢様はすやすやと眠っている。
「………………ッ!!」
これ以上、この空気に耐え切れなくなり、俺は静かに部屋を後にした。体温が少し上がったような気がするのは気の所為だろう。うん。
そして俺はお嬢様の事を皆に伝えるべく、全員のもとへと足を運んだ。
「ほほぅ?…国木田くん、やるじゃあないの…ふふっ」