第9章 大好きのカタチ
「お前…そんなだから、ムカつくことばっかなんだよ!!」
雅紀が、俺のことを見ている。
澄んだ綺麗な目…
何で怒られてんのか、皆目見当がつきません!
っていう、無垢な表情…
……ったく///それも、腹立つ!!
「俺…なんか、ニノがムカつく様なことした??」
「分かってないんだ…全然…無意識ってか~?
そうなら……そうだとしたら、最悪だよ!!」
「何が最悪だよ!?
お前、言ってること全然分かんないよ~
主語と述語を言えって、いつも俺に言ってんのはニノだろ~?」
「はあ~?おまえに言われちゃ、俺もお終いだわ!!」
「お終いってなんだよ~??」
「いい加減にしろよ!!」
「……」
「………」
さっきまで黙って傍観者を決め込んでた潤くんの一言で、俺と雅紀は口を噤んだ。
「雅紀…スマホ見れなかったんだ?」
「ああ、10分のカウントダウン?
本番中で、麻婆かぼちゃ作ってたんだ…」
「麻婆かぼちゃ〜?それ旨いの?」
「超旨かったよ!意外な感じだけど〜」
「んんんっ///」
ふたりして、別の方にそれた話で
盛り上がろうとしてるから、
俺は慌てて咳払いをした。
潤くんは、あっ…っていう顔をして、
再び雅紀と向かい合う。
「回りくどい言い方しても
分かんないだろうから、はっきり言うよ?」
「えっ?ああ…お願い、します…」
「そもそも、今回のルール違反を提案したのは俺。理由は、ニノのヤキモチ」
ちょっ///そんな、ヤキモチって…
抗議しようとした俺を、
潤くんは一瞥して黙らせてから続ける。
普段は俺に甘々なのに、
こういう時は有無を言わさぬ強さがある。
↑甘々だって自覚あるんだ…(・・;)