第9章 大好きのカタチ
話しは反れたけど。
そうやって苦労して苦労して、
作り上げてきた俺の立ち位置。
潤くんに甘えても変じゃない二宮。
雅紀に寄り掛かってても違和感ない二宮。
そんな姿さえ、
ファンの子はほっこりにっこり、
喜んでくれてる…
そんな風にしてさ~、
俺はこんなに苦労してんのに!!
なのにあいつときたら!!"(-""-)"
「はあぁ~……」
大きくため息を吐きながら
寝ころんだまま頭の後ろで両腕を組んだその時、
リビングのドアが開き、
潤くんが入ってきた。
不機嫌そうな俺と、放り出された会報を見て、
彼は一瞬で俺の気持ちを察したようだ。
何も言わず、ソファーの端っこに腰を下ろし、
トントンと自分の太腿を叩いた。
………
俺は黙って身体をずらして、
筋肉質のその枕に頭を預けた。
「に~の♡」
「…ん~?」
「ヤキモチ、妬いてんだ♪」
「…べ、別に~…」
「そう~?」
「そ、そうだよ!」
潤くんは俺の髪を梳き乍ら、
何度も頭を撫でてくれた。
その優しさに…包み込むような大きさに…
俺は今夜もまた、
ついつい本音を漏らしてしまう…
「あいつさ、この頃翔くんとの距離、
妙に近いんだよね~」
「あいつって、雅紀?」
分かってるくせに(*´з`)
黙ってると、
「そうだよな~、俺もそう思ってたよ…」
って。
潤くんが賛同してくれたことが嬉しくって、
俺の唇は、不本意ながら、
タラタラと愚痴を溢しだす。
「その会報の翔ちゃんへの言葉、見た?」
「見たよ…」
「何?あれ…他の人には書いてないのに、
翔ちゃんにだけ書いてたよね~?
もう~、信じらんない!」
「…『全て♡』って?」
そう!
あいつ、何考えてんだよ!?
会報に……
翔くんに。
翔くんにだけ、
『全て(が好きだ)』って…そう書きやがった!!